こんにちは!
介護施設長の前田裕です。
今回は、高齢者への睡眠薬や抗不安薬の服用のリスクについて考えていきたいと思います!
高齢者は勿論、認知症を発症された方への睡眠薬の投薬については比較的新しいタイプの睡眠薬を使用する事が1番望まれています。
抗不安薬についても過剰服用に関しては、ふらつきや特にベンゾジアゼピン系の大量服用が大きな問題となっています。
この様に、高齢者は結構精神科系のお薬や内科系の薬・認知症薬等の多くのお薬を服用されている方が多いのが日本の現状です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬でいうと、皆さん何を思い浮かべますか?
恐らく「ベンゾジアゼピン系って何なんだよ」と感じる方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、高齢者へ処方されるベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬について深掘りしていきたいと思います。
それでは、今回もよろしくお願いいたします!
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬の要約と私見
睡眠薬・抗不安薬にはベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系と2種類に分けられています。
あまりにもベンゾジアゼピン系の精神科薬が多く出回った為に、こんな2つにわけて考えられる様になりました。
因みに、ベンゾジアゼピン系の紹介をしている厚労省の見解を下記に提示します。
厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課より引用
私自身も何年か前に抑鬱状態になり「デパス」というベンゾジアゼピン系の抗不安薬を処方されていました。
今思えば、このデパスという抗不安薬は私にとってはとても依存性の高いベンゾジアゼピン系の薬だったなと思いました。
これは個人差があるので私の私見です。
抗不安作用は強く、しかも短時間の作用時間だったので薬の薬効が切れる時が直ぐに解る薬だったので私には合わずに、別の薬に変えてもらった過去を覚えています。
しかも、当時普通に内科でも肩こりの患者さんにも普通に処方されるくらいの抗不安薬でした。
実際に筋弛緩作用と言って、硬直したコリをほぐす薬効もあるという所謂、万能薬として多くの患者さんに処方されているそうです。
恐らく、現在もです。
どんなリスクがあるか、よく主治医と話し合い服薬する事が大切です。
高齢者へ及ぼすベンゾジアゼピン系の作用・副作用
どんなお薬にも、良い作用がある反面で副作用もあります。
この副作用が高齢者さんに限っては、ふらつきや倦怠感・体調不良等様々です。
個人差もあるという事です。
特に、精神科薬はです。
それでは下記にベンゾジアゼピン系は勿論、抗精神科薬の睡眠薬や抗不安薬についての紹介をしますね!
厚生労働省より引用
上記の厚労省の見解による抗精神科薬や特にベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬を服用する方は65歳から一気に増加します。
そして、副作用によるリスクとして、ふらつきや傾眠・低血圧・集中力の低下等と上げればキリがありません。
さらにビックリなことに、現代社会では高齢者の4人に1人はベンゾジアゼピン系や向精神薬を服薬しているという現状です。
ベンゾジアゼピン系の薬の大量処方で何が起きる?
特に高齢者への睡眠薬・抗不安薬の処方は慎重に行わなければいきません。
普通の一般成人よりも、体力や薬の効き方が大きく差がある為です。
なかなか、薬を代謝できにくいという事です。
そうなると、毎日ベンゾジアゼピン系等の睡眠薬・抗不安薬を服用を続ける事で、体内にどんどん蓄積されていき毎日ぐったりした状態になり、廃用症候群は勿論、所謂薬漬け状態になってしまい、日々の生活に大きな支障が出やすいという危険性があるという事です。
なので、精神科医も高齢者への睡眠薬・抗不安薬の処方には相当気を付けなければならない事や、服薬中も日々の様子を受診時に詳細をしっかりと精神科医や主治医へ伝えなければなりません。
つまり、精神科医や主治医と上手く連携が取れていないと、睡眠薬や抗不安薬を服用されている高齢者さんのADLどころか QOLさえ低下させてしまいます。
この辺りの考え方をしっかりと認識した上で、介護をしなくてはいけません。
そして、ベンゾジアゼピン系の薬を服用している高齢者は、非ベンゾジアゼピン系の薬を服用されている方よりも、転倒により「大腿部頚部骨折」になりやすいという研究結果も出ています。
なんと、1、6倍になるそうです。
相当リスクが上がる事がわかると思います。
高齢者へ適した処方へ改善していく大切さ
高齢者介護をしていて、どうしても睡眠薬や抗不安薬を服薬せざるを得ない場合は多いのが現状の高齢者介護の現実です。
今回は、高齢者への睡眠薬や抗不安薬の服用のリスクについて考えていきましたが、いかがでしたでしょうか?
ベンゾジアゼピン系という言葉を初めて聞いた介護士さんもいるかと思います。
いつも服薬介助をしているけれども、「どんな薬を服薬しているんだろう?」
こんな考え方を持つことが重要だと私は思います。
そこで、服薬している睡眠薬や抗不安薬がベンゾジアゼピン系なのか?
とか、どう言う薬効や副作用(リスク)があるのかを知ることで、転倒事故も防止出来たりする事もあるのです。
これから、睡眠薬や抗不安薬もどんどん新しい副作用が少ない薬も開発されていくでしょう。
そう願う他にありませんが、高齢者が服用する睡眠薬や抗不安薬のリスクを知っているかいないかでは大きな差が生まれます。
現代の介護士や介護福祉士も、高齢者さんが服薬している薬へもっと関心を持つ事も必須な事だと思います。
それが、プロフェッショナルだと思います。
そうすることで、介護支援の内容もいい方向へとシフトしていくんですね!
介護・福祉・医療に精通する者として、知っておくべき大切な事を要点化してみました。
介護は、一生勉強だと思います。
それで、利用者・入所者・入居者さん達の笑顔を観たいですよね!
以下の記事も合わせてご参照下さい。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!
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