こんにちは!
介護施設長の前田裕です。
今回は、夜勤がある介護士なら誰もが体験した事のある「夜間帯に一斉にコールが鳴るのには対応出来ません」
と言う事について触れていきたいと思います。
夜勤と言う仕事は何の仕事でも大変ですが、「介護の夜勤」は人の命も関わってくる仕事なので大変です。
しかも1人夜勤になると、とんでもない忙しさです。
ある程度、入所者さんが寝付いた頃にやっと遅い夕食みたいな感じで、「ふっと一息したい瞬間です」
いきなりコールが1つ鳴り、対応していたら新たなコールが・・
しかも、夜間帯によく転倒する入所者さん。
1人目の入所者さんに対応中だけれども、「ちょっと待ってて下さい!」と走って行く訳です。
そして一段楽ついて、1人目の方の元に戻ると「何とベッドから滑落していた」
みたいな事が普通にありますよね。
そして、事故報告書を書く羽目になると言う夜勤開始からのコール対応に追われての中ですよ。
やる気失いますよね。
これが、「夜間帯の地獄」なんです!
例えば、夜勤で20人位の入所者さんへ1人で対応するのは私も体験してきましたが全く対応出来ません!
これが、介護老人保健施設とか従来型の特別養護老人ホームともなると、10倍は忙しくなります。
特に、認知症の入所者さんが何度もコールを押してくる事なんて当たり前ですよね。
ブラックな介護施設になると、夜勤中だけ「コールを外す」と言う事さえする所もあります。
コールは「命綱」と学んでいるはずでしょうが、まともに夜勤をしていると全く対応出来ないと言う事なんでしょう。
(コールを外す行為は、虐待になるので何とか対応出来る様に考えましょう)
そんな、夜勤中のコールが一斉に鳴るのは対応出来ない事情を、私の経験談も踏まえながら考えていきたいと思います!
それでは、今回もよろしくお願い致します!
夜間帯に起きるコールラッシュは何故起きるのか?
日勤帯であれば、それなりの介護士や看護師が居て、何とかコール対応が出来ますよね。
しかし、実は日勤帯よりも夜間帯の方が「コールの頻度は上がります」
答えは簡単ですよね!
入所者さんは日勤帯において、基本的にホールや介護士の目に付く場所で過ごしているからです。
夜間帯は、入所者全員が居室に居るので何かあればコールを押してきやすい環境が生まれるんですね!
そして、寝る準備や直前のトイレでコールが鳴りまくります。
これは、大体19時〜21時の間で起きやすいですね。
名付けて、第一次頻回コールラッシュです。
(笑い事では無いんですが、夜勤介護あるあるです)
何故、同時間帯で夜間帯にコールが集中するのか?
これまた不思議な現象ですよね。
例えば、深夜1時とかに急に3〜5回もコールが集中したりとかです。
そんな理由を2つご紹介したいと思います!
- 尿意で目覚めて、コールを押して介助してもらが、残尿感が残り「またコールを押す」
- 認知症状の中核症状が出現して、不穏になってしまいとりあえずコールを押す。そして忘れてまた押す。
これが主なコールラッシュの大きな問題点です。
1については夜間帯にコールが鳴り、トイレ介助をするが少量しか排泄されず、残尿感です。
そして、10分後とかにまたコールを押してきます。
これが1人の入所者さんなら未だ対応出来ますよ。
しかし、そうは簡単にはいきません。
そんなトイレ介助コールが何回も起きる訳です!
しかもトイレ介助の大きな問題が、「トイレへ誘導・又はポータブルトイレへ座ると言う介護支援」が第一段階目です。
そして、その後にベッドへ臥床すると言う第二段階目があるのでコールが集中し、更には他のコール対応に追われてしまうんですね。
2については、中程度以上の認知症罹患者の入所者さんが「夜間せん妄」や「何かしら不安になってしまう不穏」が原因で、コールをとりあえず押しまくると言う事です。
ここでも、問題なのが1度目のコールで訪室して対応出来たはずなのに、5分後にまた同じ内容でコールが鳴る。
と言うスパイラルです。
そして、この2つが同時に重なってきたりするんですよね!
名付けて、第二次頻回コールラッシュです。
(これまた笑い事ではありません。何とか対応出来る様に考えましょう)
何だかんだで1人でコール対応は夜間帯は難しい!けど、少しの打開策!
上記でお伝えした事や、他にも様々なコール対応で夜間帯の介護士は「とんでもなく忙しいです」
もしも、夜勤介護士の相方が居れば、お互いに協力体制を共有して夜間帯の地獄とも言えるコールラッシュに対応していくしか策はありません。
但し、これはその日も夜間帯においてのマンパワーで出来る一時的な打開策にしか過ぎません。
これら、夜間帯の頻回コールを何とか改善出来る策はあります。
完全攻略には難しいですが、少しでもコールが減り「特に転倒事故」だけは防がなくてはいけません。
その1つとして、「夜間帯の尿意が多い入所者さんについては、あらかじめ早い時間帯の内に介護士・介護福祉士側から訪室して排泄介助を促しましょう!」
もっと細かく言うと、いつもコールが鳴る1時間位前に熟睡していない限り、声掛けしてトイレ介助です。
このタイミングは巡回時に「今ならいける!」と言う場面で排泄介助をしてみましょう!
ここで、注意なのが「熟睡している入所者さん・入居者さんは絶対に起こしてはいけません!
(わざわざ起こして、覚醒してしまい不眠となり、逆にコール頻回を助長します)
そうする事で、その入所者さんは決まった時間にコールを押してこないと言う事へと繋がりやすいです。
これは、職員が共通認識として同じ対応をする様にしましょう!
又は、利尿剤が効き過ぎていると言う事もあるかもしれませんので、主治医へ相談してみましょう!
問題の認知症の入所者さんの頻回コールに関しては、2〜3回立て続けにコールが鳴る様で有れば、夜勤者の側で、一旦一緒に軽く茶菓子でも食べながら「聞き手になってみましょう」
何かしらちょこっとでもお菓子を食べたり、お茶するだけで案外落ち着いたりする事があります!
それでも対応出来ない場合は、目の届く辺りに布団を敷いて、一旦そこで寝てもらうのも1つの手段です。
この様な認知症の方の夜間帯不眠や不穏は、認知症では無い方でも主治医へ相談する事で服薬内容が変更になったりする事で改善出来る事もあります。
良い主治医で有れば、ふらつきが大きく出ない眠剤を処方してくれたりしますから。
ここまでのまとめ・・
夜勤者は、頻回なコールで走り回って夜間帯も働いています。
しかも、日勤帯以上の忙しさです。
そんな状態で夜間帯の介護なんて先ず出来ません。
しかし、1人1人の入所者さんのコールのタイミングや、認知症で不穏になる方への対応は「ある程度は対処出来ます」
そこで必要なのが「24時間シート」の活用ですね!
「いやいや、そんなの出来てるよ!」とは言っても、「24時間シートの更新は出来ていますか?」
と言う事なんです。
日々、入所者さんの身体・精神状況や生活スタイルは変化していきます。
そこに日頃からクローズアップ出来ていれば、夜間帯の地獄なんて少しは改善されるはずです。
夜勤者は限られた中でのマンパワーで、頻回なコール対応をしています。
そこを、改善するためにも100%は無理でも、少しづつコールが減ると夜勤者は負担が減り、もっと質の高い介護支援が出来るんです。
出来ない、出来ないと言うのは簡単ですが、ミーティングや会議の場で「夜間帯に良眠出来る介護支援」を考える事も重要なんですね!
「夜間の頻回コール対応が出来ない!」
と言っている介護職員さんは、先ず根本の介護支援から見直してみましょう!
日中の活動量を増やす、とかも良いでしょう。
又は、脳トレも活用しましょう。
ありとあらゆる解決策が思い浮かぶと思います!
「本来、人間は活動時間の疲労を補う為に夜間に休息する生き物です」
日中に少しでも日光を浴びていますか?
季節感や時間的な配慮を考えた介護支援を行っていますか?
日勤帯で出来る事をして、入所者さんが少しでも満足感が有れば疲れて夜間良眠へと繋がります!
そんな、こんなで100%は対応出来ない頻回コールのちょっとした打開策を考えてみました。
そして、最後に言いたい事があります!
補足です。
それは「やたらとセンサー系のコール対応を、やたら多くしては意味がありません。
センサー系のコールは、転倒事故がもうこれ以上対策出来ない高齢者さんへ使用する最終手段です。
最悪、意味なくセンサーが反応してコール頻回になります。
そして、いきなりセンサーを使用してまで頑張ったのに、それでも転倒事故が起きては「事故報告書」に改善策を考える余地が無くなります。
特に、赤外線センサーですね!
以下にも、様々な情報を掲載しておりますので読んで頂けると嬉しいです!
それでは、ここまで読んで下さりありがとうございました。