介護の現場

介護のサービス残業って当たり前なの?介護施設長の考える解決策

こんにちは!

介護施設長の前田裕(Twitter@masakuraudo0415)です。

私は、居宅ケアマネの仕事をしていた時に40件近く担当していて、とても定時で帰ることが出来ず月の残業時間が平均100時間は合った時があります。

もちろんサービス残業でした。

ケアマネジャーの仕事量は対価にすると60万円程になると言っている人もいるほどです。

今回は、そんな介護の現場のサービス残業の現状を知ってもらうと共に、自分がサービス残業を強いられた場合の対応策について書いていきます。

なぜ、介護の現場でサービス残業が起こりやすいのか

介護職ではサービス残業が当たり前となっている現状があります。

介護の業務に慣れていないためにルーティンワークが処理できずに仕事が長引いてしまうというのは、むしろ可愛いレベルのサービス残業で、実際には日々の業務の中で消化しないといけないものが重なり手一杯になってしまいます。

前田(運営者)

福祉の精神を元にしている職場ということもあり、なんとなく自己犠牲をすることが推奨されているような雰囲気もあることも事実で、優しい人はどこまでも仕事をしてしまいます。

私が実際に経験したようなサービス残業が増える事例をまとめてみました。

居宅ケアマネの仕事量が多すぎる問題

居宅ケアマネの場合は、一ヶ月の流れで仕事内容が変わります。

例えば、月初めは10日までに国保連という所に介護保険料の給付管理というものをデータとして送る作業があります。担当利用者様が計画された介護保険サービスをどれだけ利用したかを介護事業者とデータを統一させる作業です。

そして月半ばからは、モニタリング(評価)と言って担当している全利用者様のケアプランに対する評価をパソコン入力、ファイリングしていきます。

その隙間時間で、利用者様宅へ訪問して話や悩みを聞いたり、介護事業所へ出向いて利用者様の様子を伺ったりします。又、毎日行う事ですが利用者様に何かあった時や重要な事は支援経過という記録を適宜入力していきます。

他、サービス担当者会議と言って介護保険の更新や新規・区分変更・新たな介護サービスを利用する際には利用者含め関係者が参加して会議を開きます。

そこで、新たにケアプランの変更・追記等の作業もあります。

月半ば過ぎ頃からは、月末までに担当利用者様宅全てへ訪問し、ケアプラン内容説明や困った事等を聞いて、署名・捺印を頂きます。1日に大体5件回れれば良い方です。 訪問中でも、急に利用者様が入院したりすると、入院先へ情報提供を行ったり介護事業所へその趣旨を伝えたりします。

又、よくいろんな所から電話もあり、新規で担当する事になったりと、分刻みのスケジュールです。

40件近く担当していると定時ではとても帰る事ができません。とある統計をとった方がいて、ケアマネジャーの仕事量は対価にすると60万円程はある。と言った方がいます。私が居宅ケアマネをしている時で月の残業時間は平均100時間はありました。

こうなってくると、サービス残業になりやすいです。

介護以外のレクリエーションなどの仕事が重くなる

介護施設内で行なわれる、レクリエーションなどの企画や実行を全て一人で行うという業務も、普段の介護の仕事と性格が異なるためにサービス残業のもとに成りがちです。

車椅子の方から、しっかり歩いている方、重度の認知症の方など様々いるなかで、仕切りながらレクリエーションをやり遂げるのは大変です。

ベテランの介護士でも、だんだんとレクリエーションのネタが尽きるため、ネタを出すだけでも一苦労します。

仕事の量も増えてくるため、残業をしたり自宅にいるときでも仕事の事を考える毎日が続くようになります。

他の介護職と知恵を出し合いながら、上手くできると良いですね!

事務作業を勤務外の時間で処理してしまう

特養の介護士などになると、勤務表の作成などといった事務作業を休日に行ったり、残業として行ってしまう人もいます。それによって休日が1日全部潰れてしまったりすることも多くあります。

実際には、勤務表の作成などは勤務内容に当たる事務作業なので、勤務時間の中に作成時間を設けて行うのが普通です。もし、勤務外での作成を強いられているのであれば、職場を見直しましょう。

周りの職員が仕事をしない。人が少ない。

職場内で他の同僚はサボって話ばっかしているのに、自分には仕事がたくさん回ってきているなどといったことがあります。

そういった職場は、どんどん人が辞めていったりもするので、気づいたら自分が長くいる介護士の一員になっており、責任や仕事量がどんどん増えていき、上司と部下に挟まれて転職するのも難しかったり、身動きが取りにくい自体になることがあります。

前田(運営者)

自分がおかしいなと感じる職場は、他の人もおかしいと感じている可能性は高いです。

認知症の方などの対応に時間が取られてしまう。

これは介護などの医療系特有の問題なのですが、日々のルーティンワークに加えて「コミュニケーション」で生まれるタスクがあります。

患者さんから何かを依頼されたりするだけなら軽いものなのですが、認知症などの症状のある方となると手間取ることも多いです。

毎日同じことを伝えないといけなかったり、その日によって気分が変わってしまったり、会話がしっかり通じなかったりするので、どうしても時間が取られてしまいます。

その為、自分が任されている業務に手が回らなくなり、残業をするしかないといった状況になってしまうのです。

そこは、周りの介護職と連携を取りながら対応していくことが重要ですよね!

前田(運営者)

やはり「職員同士でのいざこざは全く意味がない」ので改善していかなければいけませんね。

介護事業は人が必要な分、経営が難しい

こういった問題は、人が増えたり、業務のスライドが円滑になったり、人間関係が良好であれば起きない問題ではあるのですが、介護の事業は経営が難しい為にすぐに解決できないのが現状です。

なぜなら介護は売上に比例して、人員を増やすと人件費や施設にかかる費用が増えてくるため、コストがかさんできます。介護職員に満足な給料が渡せない職場もあるのは、そこの問題です。

さらに需要に対して介護職員の供給が足りないので、一気に人を増やすなどと言ったことが難しいのが現状です。

介護現場のサービス残業は半数にも及んでいるのが現状

2016年12月の朝日新聞の記事によると介護の現場では月給制で働く職員のうち、約半数が残業した時間を正確に申告していないそうです。

月給制の職員のうち「残業時間を正確に申告していない」と答えたのは47%で、「申告している」が51%だったようです。

また正確に残業を申告していない人のうち47%は「申告しづらい雰囲気があるから」で、次に多いのが「自主的に残業しているから」で25%です。

次に多いのが「申告しても残業を認めてもらえないから」が23%にも及ぶという結果です。

前田(運営者)

未だに、こんな古い体質のままで運営している介護福祉事業者が多いので、転職には要注意ですね!

サービス残業をしている人の実際の声

介護の悩みサイトではサービス残業の声ではびこっています…

  • 「毎日1時間の不払いの残業なんてザラにあります。」
  • 「休憩もないし、残業ありきの勤務形態で残業代も出ない。」
  • 「今の施設ではすさまじい量の記録をパソコンに入力しないといけないから当然終わらない。」
  • 「時間前に出勤は当たり前、休憩も60分なのに15分しかとれない。」

と言った生の声も多いです。

しかし、もちろん残業代が出るところも多いので、働く前にきちんと現場を見ることが大切です。

実際に働いている職員の方とかに直接残業のことなど話を聞いておくことをおすすめします。

サービス残業を避けるには?

残業代が出ないのは、「定時になるとタイムカードを押すように言われ、残業代をつけられない」「残業時間の上限が決まっており、それより残業しても残業代が支給されない」などの悪質な行為があります。

サービス残業分の残業代を請求するには?

そういった場合でも残業代をきちんともらうためには厚生労働省の総合労働相談コーナーなどで相談しましょう。

前田(運営者)

相談する際には自分が残業した記録などを証拠として集めておくと良いです。タイムカードや出勤や退勤の時間などは写真を撮ったり、メモを取っておくようにしましょう。

サービス残業で泣き寝入りする必要はありません。

いっその事職場を変更することも検討しましょう

場合によっては、どれだけ自分が強気でいても、相手側が全く取り合ってくれない可能性もあります。

施設長だけがその姿勢だったりする場合は、まだいいのですが、職員全体の雰囲気として取り合ってくれないような場合もあります。

そういう時は仕方ないですが、職場を変えるという手段を考えておきましょう。職場を変えるという選択肢を持っておくだけでも、できることは変わってきます。

最後に・・・介護現場のサービス残業は改善しなければいけない

サービス残業が慣習化している施設ではそれを改善するのは一職員には難しいです。

そういう場合は別の介護施設に転職することなどの手段も考慮したほうが良いです。介護施設によってはきちんと残業代が支給されたり、そもそも残業が少ない施設もあります。

人手不足が原因でサービス残業が横行している介護職場の現状はなんとか変えなければいけません。

そういった現状を変えるには管理職を含め、すべての職員の残業への認識を変える必要があります。

残業はして当たり前ではありません。

多くの職員が定時で帰れるように職場が一丸となって助け合いながら業務をこなしていかないといけませんね。

もっと、介護職として頑張った分の待遇や給与を頂けることが1番です。

そんな職場へ早いうちに転職できることが1番の近道でもあります!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

以下にも、様々な情報を掲載しておりますので読んで頂けると嬉しいです。

前田(運営者)

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  • この記事を書いた人

前田 裕

介護施設長をしております、前田裕です! このサイトでは、介護職や他の福祉職の方に向けたアドバイスだけでなく、一般の方に介護の現状を知ってもらうための内容も書いています。 介護や福祉の現場がより良くなっていくためには、どうしていけば良いのか? そんな、悩みが解決出来たらなと思います。

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