看護師・介護士のセクハラ問題。現状がどんなものか知っていますでしょうか?
介護の現場では、実はセクハラ問題が多く起きています。介護職経験者の50%以上がセクハラ被害を受けたことがあるとの報告もあります。
今回は、そんなセクハラ問題について紹介し、対処法を書いてみました。
セクハラが常習化している介護現場
介護士、看護師は女性が多いだけあって、セクハラがあるのが現状です。高齢者の方が多い印象の介護の現場では、そういった性的な問題も少ないと考える方が多いようですが、全然そんなことはありません。
特に男性の場合は、年齢を重ねても性欲は変わらないようで、結婚をして子供がいるような患者さんでさえ平気でセクハラ発言をしていたりもします。
実際にあったセクハラの例
今回は実際にあったセクハラの例を詳しく紹介していこうと思います。
それだけ身近に起きている問題だと捉えてほしいからです。
体を触られる
利用者さんの中には、突然体を触る方がいます。胸やおしり、陰部を触られたり、キスをされる・抱きつかれる。場合によってはベッドに無理やり引き込まれるなどの被害があります。
たまに触るというわけでもなく、介助の方が来ると(そして、女性だと)、どんな介助内容だろうと胸に手を伸ばして揉もうとする人もいます。力の強い患者さんだと、介助の方を羽交い締めにしてまでキスを迫ることもあります。
卑猥なことを言われる
下着の色を聞かれたり、「チューしよう」「付き合ってくれ」などの卑猥な言葉をかけてくる方もいます。
それだけでなく、入浴介助の際に「下(陰部)も洗って欲しい」と自分で洗える方にお願いされたり、介助中に部屋でアダルトビデオを流す方や、壁に女性の裸体の写真を貼って、ヘルパーさんの反応を楽しむ方もいます。
利用者のご家族から言い寄られる
時によっては、利用者の家族から言い寄られることもあります。患者さんでは無いので、正しい判断ができるはずの人がセクハラをしていると知ると驚くと思いますが、実際にあります。
セクハラでなくとも、利用者さんの自宅に伺った際に、それっぽい行為を迫られたり、薬を入れたお茶を出されたりしている介護士の方もいます。
正常な人の前でも、一瞬も気を抜けないのがこの仕事の大変なところです。
セクハラを受けたことのある職員のコメント
セクハラする元気があるなら、退院すればいいのに!いつもは横になって寝ているばかりで、「あれをやってほしい」「これをやってほしい」と言うくせに、胸を触ろうとするときだけはやたら力が強いし!胸の方に気を取られてると急にお尻を触ってきたりするからホントにうざい!
そういう人に限って、普段はとても弱ってそうな雰囲気出してるから、所長とかに言っても全然取り合ってくれない。同期の子たちだって迷惑してるのに。
おじさんに二の腕もまれたときはぞわぞわした。「流石に胸でも無いし、介助の際には触れることもある部分だし...なんか微妙な場所は注意しにくいな」と思っていたら急に胸にまで手を伸ばしてきた。
二の腕を掴まれてたからなかなか体制を戻せなくてそのまま患者さんの方へ引っ張られちゃって、思いっきり胸わしづかみにされた。
夜勤中の巡回で、患者さんに腕つかまれて布団なか入りーって誘われた。ぞわっとしましたね。夜間はより気持ちわるい…
何より、こんなことを毎回他のヘルパーにも言ってるし、私も担当する度に言われる。どうにか対処して欲しい。
「認知症」以外の方もセクハラをしていることも
セクハラをするのは認知症になっている方もなっていない方でも、セクハラ行為をしています。
認知症で正しい判断ができない方もいますが、正しい判断ができる方でもセクハラ行為をしているので、そういった方にはきちんと注意しましょう。
看護師の受けた薬物混入事件
産経ニュースによると、看護師が「暴言」「セクハラ」「性的被害」を受けた経験が5割にも及ぶそうです。
1人で患者宅に赴き、看護や介護の業務にあたる訪問看護師が、患者やそのご家族から暴言やセクハラや性的暴行を受ける被害が多発しています。
そんな危険な経験を訪問看護師の5割が経験しているのです。
また、神戸市では薬物混入された犯罪レベルの被害も発生しています。
5年ほど前の出来事ですが、当時30代の女性看護師が患者宅から事務所に戻ったとき、ふらふらの状態で意味のわからない言葉を繰り返してしまう症状に襲われました。
女性は緊急入院して薬物を解毒しましたが、警察に通報しても、解毒治療後の血液や尿から薬物の証拠が得れなかったため立件などができていないそうです。
訪問先でご家族の方からお茶をすすめられて断れず飲んでしまったため、このような出来事が起きたようです。
セクハラの被害を受けた時の対処法
セクハラの対策は
- 自分よりも立場の強い方に事前に相談する
- きちんと強く注意する
- 自分よりも立場の強い方に相談し、協力してもらう
- 担当職員を変える
などがあります。
1.自分よりも立場の強い方に事前に相談する
セクハラなどの問題は、立証が難しかったりと「泣き寝入り」しやすいものです。
これは、会社の相談窓口を利用する時も警察にお願いする時も同じですが、事前に「こういうことがありそう」と連絡を入れておくだけで、対策ができます。
一度、自分より立場の強い方に相談しておきましょう。そうすれば、今度何か起きた時にすぐに報告しやすい体制が作れます。
2.きちんと強く注意する
セクハラの対策としては、まずはご自身で利用者様にきちんと注意することが大切です。
はっきりと注意しないで、あやふやにしていたらセクハラはどんどん悪化すると思ったほうがいいです。
3.自分よりも立場の強い方に相談し、協力してもらう
ご自身できちんと注意しても改善されない場合は自分よりも立場の強い先輩職員や事業所に相談することが必要です。そして、代わりに注意してもらったり、ご家族の方に被害を説明して注意してもらう対処をしましょう。
4.担当職員を変える
男性介護士の方に対応を代わってもらうことです。
しかし、男性が介護士が少ないので、代わってもらえない場合も多いと思います。
そういったときは無理に我慢して業務を続けてはいけません。
必ず他の職員に相談して利用者様にやめていだたくなどの対策を取るようにしましょう。
セクハラを見つけた場合の対処法
当事者だけでなく、第三者から協力してあげるというのも時には必要です。
周りで「あれはセクハラでは?」と感じた時に、できる行動をまとめてみました。
セクハラは第三者でも通報できる
セクハラは第三者(個人、機関)からも通報できるようになっています。
当人が我慢しているのではないかなと思ったら、代わりに言ってあげるくらいの気配りをしてもいいのでは?と思っています。
日本には未だに「その程度で文句を言うなんて...」「私が若い頃は...」という根性論が広まっていますが、だからといって苦しみながら仕事をするのは違うと思います。
互いに過ごしやすい環境を作っていきたいですね。
当人は言いにくい時もある
セクハラなどの被害は、「相談したのに無碍にされたらどうしよう」という不安が当事者にはつきまといます。
周りの方から手を差し伸べて貰えると、本人も助かるので気付いた時は声をかけてあげましょう。
まとめ
看護師、介護士の仕事は今の社会に必要なやりがいのある大切な仕事です。
だからと言ってセクハラに我慢して仕事を続けるべきではありません。
セクハラの被害があった時は必ず他の職員に相談しましょう。
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1人で被害に苦しまず、しっかりと他の人に助けを求めてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。