今回は介護現場でヒヤリとしたミス「ヒヤリハット」について紹介していきます。実際に現場で働いていると、どれだけ気をつけていてもミスは起こるものです。
その中でも、よくある事例をまとめておきました。まだ現場慣れしてない方は対策のためにも要チェックだと思います。また、対策についてもまとめておきました。
「ヒヤリハット」とは
「ヒヤリハット」とは、重大な事故には至らないものの、事故に直結してもおかしくない、事故一歩手前の事例のことを言います。
介護事故にはつながらなかったものの、ちょっとしたミスで大きな事故になっていた可能性があるもののことを指します。
介護の仕事は多忙で、ちょっとしたミスが起こりがちな現場ですが、命に関わる大きな事故につながってしまうこともあります。
しかし、あらかじめどんなヒヤリハットがあるかを知っていれば、対策を取ることや意識してヒヤリハット防止を心がけることができます。
介護の現場は「人」が多く関わる分、毎日何が起こるか分かりません。今日と明日が同じ流れで仕事ができるとは限らないのです。
そういった現場で起こりやすいヒヤリハットを紹介していきます。絶対に確認しておいてください。
私としても、全施設で事故は無くなったほうがいいと思っております。ヒヤリハットの事例を紹介しているので必ず最後までご覧ください。
よくあるヒヤリハットの事例10選と対策
それでは、実際に現場でよくあるヒヤリハットの事例を紹介していきます。
介護の現場では、「一人ひとりが全員意識しておく」必要があります。危ない利用者様をたまたま見ていたのが「あなただけ」ということもあるのです。
仮に事故が起きたとしても、「あの人が原因だよね」というようなチームではなく、「どうやったらゼロにできるか」を常に考えられるチームでいたいですよね。
ヒヤリハットの対策はまさにそれを実行する場所だと思います。
そして何より、「忙しいからミスしてしまった」のは確かに言い訳としては理解ができますが、ミスや事故に対処するほうが圧倒的に時間を取られます。
今の1秒を取るか、後の1時間を取るかみたいな話だと思いますので、事故になりそうなポイントは丁寧に対処していきましょう。
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1.利用者様が一人で車椅子から立ち上がろうとして転落しそうになる
原因として考えられるのは、『職員が雑務のために見守りをしていなかった』
実際の介護現場では、介護の内容だけでなく雑務も多いです。こういったところも勉強期間では分からない点ですよね。
職員が雑務をする前にあらかじめ安全なソファーなどに移乗しておくことが大切です。
2.利用者様が寝返りをしたときにベッドから転落しそうになる
原因として考えられるのは、『おむつ交換などの時に柵をはずして、直すのを忘れていた』
しっかりと柵を直したか確認するのはもちろん、おむつ交換などの「介護ならでは」のサポートでは、ベッドや柵の状況を忘れがちです。
3.体位交換の時に壁に顔をぶつけそうになる
原因として考えられるのは、『壁との距離感をきちんと確認せずに体位交換に臨んだ』
これも、現場や実習でないと気づけないポイントかもしれません。どれだけ多忙な中でも、周りとの状況をしっかり確認してから体位交換を行うことです。
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4.食事介助時の水分を補給する時にむせかえってしまう
原因として考えられるのは、『食事介助のペースが職員のペースになってしまった』『とろみ不足』
飲み込みを確認してからスプーンを口に運ぶこと、とろみをどの程度つけるか予めきちんと確認しておきましょう。
5.賞味期限切れのものを提供してしまい、腹痛の症状を訴える
原因として考えられるのは、『冷蔵庫内の食べ物の賞味期限を確認していなかった』
一般的に見れば、「そんなこと起こるのか!わけわからない施設だ!」と思われると思いますが、職員からすれば「そこは盲点だった...」となりがちなポイントです。
この点は、利用者の対応中以外で対策ができるので、確認の時間をスケジュールに組み込んでおくことをおすすめします。
6.薬を他の利用者様の物と間違えてしまう
原因として考えられるのは、『二人分の薬を同時に持つなどしてしまった』
同時に多数の利用者様の薬を持たないようにしましょう。服用する前に必ず本人の薬であるか確認します。
また、薬の内容だけでなく、おかしいなと感じたら利用者の記録を見ましょう。
これは、利用者様やそのご家族でも経験された方もいるのではないでしょうか。職員はもちろん対策すべきだと思います。
それに加えて、ご家族もある程度知識を持っているとどんな職員が来ても防ぎやすいです。
(あくまで「自己防衛」という観点での意見です。)
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7.掃除しているときに薬が落ちているのを見つける
原因として考えられるのは、『服薬介助の時に、利用者様の口からこぼれ落ちたのに気づかなかった』
服薬介助するときは飲み込む最後まできちんと確認しましょう。こぼれ落ちる場合だけでなく、むせてしまうこともありますので、薬を飲んでいるときは飲み込む瞬間まで見ましょう。
8.ご家族の方の差し入れで大福などの喉に詰まる可能性が高いものを食べている
原因として考えられるのは、『訪問の時に差し入れなどがあるか確認していなかった』
喉に食べ物を詰まられると最悪の場合は命を落としてしまうので、絶対に気を付けなければなりません。ご家族の方が訪問されたときは、差し入れがあるか必ず確認するようにしましょう。
これは、ご家族の方にも知っておいて欲しい知識です。日中訪問自由になっている施設もありますので、そういった時には職員が全て目視というわけにもいきません。
また、家族だけでなく、突発的に訪問される親戚の方にも注意です。
9.爪切りの深く切りすぎてしまう
原因として考えられるのは、『業務多忙のため早く爪を切ろうとした』
どれだけ忙しくても焦らず、一気に切らないように注意することが大切です。
10.夜に認知症の利用者様が外に出てしまった
原因として考えられるのは、『戸締りをしっかりしていなかった』
オートロックの扉を導入することや戸締りの徹底をすることが必要です。
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ヒヤリハットの対策とは?
ヒヤリハットを防止するためには、まずはどういったことが小さなミスが事故につながるかを把握することです。例えば、上の10個について把握をすることです。
自分の施設だったら、どういう時に上記のことが起こりやすそうかをイメージしておくことが大事です。
そして、イメージの中で起こりそうなパターンは全て「絶対に起こらないように」しておくことが大切です。
忙しい現場では、「頑張って対策」「気をつける」といった根性論はあまり意味がありません。
ヒヤリハットに繋がるものは根絶するようにしましょう。
そして一つの業務を慣れたからと言って油断して適当に行わないことが必要です。
ヒヤリハットはちょっとした油断から生まれるものがほとんどです。
新人の頃にはきちんと緊張感を持ってやっていた業務も慣れてくると気が緩んでしまいます。
ベテランになった時ほど気を引き締めて業務をこなしましょう。
ヒヤリハットの事例紹介と対策まとめ
介護の現場では高齢者の命を預かっています。
そのため、健常な若い方ではなんてことない転倒やつまずきでも、高齢者の方ともなると骨折などの大きな事故につながってしまうのです。
ちょっとしたミスが死亡事故につながることもあるのです。
介護の仕事が命を預かっている仕事だと自覚して、気を引き締めて業務をこなしましょう。
一人ひとりが「少しでも良い施設にしよう」と思っていれば、こういった小さなミスはどんどん減っていきます。
良い施設は良いチームから、良いチームは良い人から出来ていきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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