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高齢者がナースコールは押したくない理由3選

こんにちは!

介護施設長の前田裕です。

今回は、高齢者がナースコールは押したくない理由3選について考えていきたいと思います!

介護福祉関係者であればよくある話です。

例えば、夜間帯にポータブルトイレを使用する高齢者さんがナースコールを押さずに、巡視時に転倒していた。

こんな事ってよくありますよね。

そんな時に介護士や看護師が「絶対にナースコールを押して下さいね!また転んだら大変ですよ!」

こんなやりとりをよく聞きます。

介護職側から転倒のリスクがあるから、適宜高齢者さんへナースコールを押す様に促す事は特段問題ないとは思います。

前田(運営者)
しかし、いきなり最悪センサーマットを使用したりとまで必要が無いのに直ぐに設置してしまう思考が介護業界では当たり前かの様になっています。

これは場合によっては抑制になります。

認知症が重度の高齢者で、ふらつきや転倒のリスクが大きい方はセンサーマットも考えて行かないとなぁとはなります。

特に、夜間帯や早朝にこんな事故は起きやすいのが特徴です。

人員的な問題もありますし、わざわざ夜中にナースコールを押してまで介護職の方々へ迷惑をかけたく無いと言う理由が大きな理由にもなります。

そして、事故報告書へは「頻回に巡視する」「センサーマットを検討する」と言う文言は耳にタコが出来る位、書いた事があるワードだと思います。

高齢者がナースコールは押したくない理由3選について考えていきたいと思います!

それでは、今回もよろしくお願い致します!

高齢者の気持ちに自らなると言う思考変換

介護職や福祉分野では、相手の気持ちに寄り添って支援をすると学んでいると思います。

福祉の精神とは、まさにこれに尽きます。

これは、介護福祉士だろうがケアマネだろうが社会福祉士・精神保健福祉士といった福祉関係者全般に言える思考です。

この様に、高齢者さんや障害者の方の気持ちを考えてどう言う支援方法をしていくべきなのかを考えると言う思考変換の作業の連続だと私は考えます。

「もしも自分が片麻痺になっていたらどう支援してもらえたら助かるだろうか?」

「もしも、1人でトイレに行けなくなったらどう支援してもらえたら助かるだろうか?」

こんな感じの思考変換が大切ですね!

高齢者・障害者の気持ちに自分がなってみたら?と常日頃から考えてみる事ができれば、立派な福祉職員です。

それでは、さっそく高齢者がナースコールは押したくない理由3選について考えていきたいと思います!

高齢者がナースコールは押したくない理由3選とは?

1.迷惑をかけたく無いから

これは、恐らく全体の半分以上を占める理由かと思います。

例えば、ベッドサイドに置いてあるポータブルトイレを使用する為だけにわざわざナースコールを押したいと思えますか?

私は「ノー」です。

私も入院経験がありますが、尿器を取り替えてもらう為にナースコールを押すのに5分も掛かりました。

日本人ならではの思考かもしれませんが、人様に迷惑を掛けたく無いと言う心理が生まれる訳です。

私は、自分が入院してみて初めて実感しました。

しかも、排泄行為を他人に観られたくは無い訳です。

ここは、上手に声かけをしながらナースコールを押して頂ける環境に職員全員で考えてみましょう

様々なパターンがあると思うので、主治医やリハビリ関係の職員へ相談するのも良いかと思います。

2.自分で出来ると誤解している

これは、脳梗塞や脳出血等で急に身体的な障害を負ってしまった方が思い込みやすい事例です。

高齢者からすれば、リハビリも頑張っているしナースコールをわざわざ押さなくても出来ると言う思考になっている為です。

しかし、思いのほか以前の様な体の動きが出来ずに、ちょっとした事で転倒に繋がってしまう事があります。

これは、初めて麻痺が残る様な事を経験したばかりの高齢者や、特に男性に多い事例です。

特に男性高齢者は、プライドが高いです。

そんなプライドが高い方が女性に排泄介助をさせると言う事は、とても恥じらいとして考えてしまう訳です。

この事例の場合も、男性職員が最初に介入しながらプライドを柔らかくする介護支援をする事で徐々にナースコールを押してくれる事に繋がる可能性はあります。

ケースバイケースではありますが、現場の職員間で話し合いましょう。

ケアはチームプレイです。

3.認知症が進行している

これは、かなり難しい介護支援になります。

現場の介護職や看護師さんも頭を抱えているかと思います。

どうしても認知機能が低下していくと、短期記憶障害や自分が何故ここに居るのかさえ解らなくなります。

重度の認知症ともなれば、自分の年齢すら20歳です!と言う高齢者さんも観たことがあります。

そこまでいくと、「ベッドから動く時はナースコールを押して下さいね」の一言は全くの無意味です。

そうなってくると、最初にする事はその高齢者の方の24時間シートを作成することや、どんな時間帯にどう言う行動をしているかをよく観察しましょう。

適宜に巡視することで、その方の行動パターンが何となくでも観えてきます。

これは、認知症を患っていない方にも有効な手段です。

どれだけ重度の認知症になっていても昔からの癖や習慣は最期まで残りやすいからです。

それでも危険な場合や、人材不足が原因でナースコールだけに頼れない場合はセンサーマットを有効活用しましょう。

ここが大事です。

センサーマットは最後の手段であると言うことです。

高齢者は男尊女卑の世界を生きてきた

高齢者の方々は、若い頃は戦時中で「男は仕事をして家計を養い、女は家を守る」と言う時代を生きてきました。

男尊女卑の世界を生きてきた訳です。

そんな方々が人様の手を借りる為にナースコールを押すと言う事は、何かしら「申し訳ない」「ごめんなさい」といった感情があります。

そこまでしてナースコールを押してくれた高齢者の方々には、介護する側も「読んでくれてありがとう」と言うのも良いのかなと思います。

明日は我が身で、自分がいつナースコールを押す日がくるかもしれません。

そんな時に、「ナースコールを押してくれてありがとう、これで転ばずに今夜はよく眠れますね」

みたいな声掛けが出来ると、高齢者さんも何かしら安堵する訳です。

こんな事の繰り返しが、高齢者がナースコールは押したくない理由をひるがえす事さえ出来ますから。

100%出来なくても良いんです。

少しづつ問題解決していくのが介護支援だと私は考えます。

以下に、介護福祉士の資質に関して考えた記事がありますので合わせてご参照下さい!

以下にも、様々な記事を書いていますので読んで頂けると嬉しいです!

それでは、ここまで読んで頂きありがとう御座いました。

前田(運営者)

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  • この記事を書いた人

前田 裕

介護施設長をしております、前田裕です! このサイトでは、介護職や他の福祉職の方に向けたアドバイスだけでなく、一般の方に介護の現状を知ってもらうための内容も書いています。 介護や福祉の現場がより良くなっていくためには、どうしていけば良いのか? そんな、悩みが解決出来たらなと思います。

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